商標、つまりブランド名などを指します。もともとは標章(マーク)であり、それに商業上の信用を化体させたものとして商標と呼びます。これに法的な権原を与えたものが商標権となります。
添付の記事では、ある国内商標が30億円で売買されたとあります。特許をはじめとした工業所有権は、著作権における「著作者人格権」を除き(著作権法59条)、許諾(ライセンス)や譲渡(売却)が可能です。
著名な商標を製品に付与することで、その製品に一定の信用が発生し販売促進が図れるという効果が期待できます。譲渡されなくても使用許諾が得られればそれでも商売は行うことができます。
しかしながら権利者の何らかの事情により途中で使用許諾が得られなくなる可能性があります。もしそうなれば、その商標を製品に使用できなくなります。別の商標を付すなどすれば、顧客は別の製品、別の品質と認識することは想像に難くありません。
結果、顧客はたとえ同じ製品であっても買い控えるようになるかもしれません。商売としては将来の販売量が予測できない不安定な状況に置かれることでしょう。
そこでいっそのこと譲渡してもらえば自由に使えることにはなりますが、果たしてその商標にいくらの価値があるのかが問題です。その商標の現時点での信用はある程度は計算できるかもしれませんが、いかんせん将来分は未知数です。既得権者は将来性を高く見積もり、購入者は今後の販売戦略の貢献が重要と言って安く見積もるでしょう。
今回は相当高額で売買されたようです。需要と供給のバランスもあるのでいつも高値で、とはなりませんが、コツコツと信用を高め、かつ販売を独占して顧客を囲い込む以外にも、商標自体が売買できる可能性もある財産であることを認識しておくべきでしょう。そうすることで、また違った経営戦略を取れるかもしれません。