記事にあるような高性能掃除機成功の話はよく聞くところです。今更の感がありますが、イノベーション関連の記事ということで取り上げさせていただきました。
イノベーションとは様々な解説がされていますが、新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすこと、との解釈が一般的かと思います。よく目にするイノベーションというと、何かと新規技術の開発や画期的な技術革新(「破壊的イノベーション」)ばかりが取り沙汰される傾向にあります。
さて、ここで注目したいのは記事中にある「知の探索」・「知の深化」グラフのことです。
詳しい説明は記事を一読していただくとして、以前の投稿で記した「破壊的イノベーション」が「知の探索」の軸であり、「持続的イノベーション」が「知の深化」の軸になります。社会的に変化を起こすという意味では、どちらも「イノベーション」には違いありません。
基本的に技術力のある日本企業は「知の深化」による「持続的イノベーション」を極めたいと考えます。他者の差別化という意味でイメージしやすいことがその理由です。しかしながら技術の深化ばかりでは頭打ちになることは、いままでの産業界をみてもよくわかります。
とはいえ「知の探索」「破壊的イノベーション」ばかりを求めても企業運営的には不安定要素を増やすだけです。企業運営は継続企業(ゴーイングコンサーン)であることが求められ、博打ではないのですから。
でも同じことをやっていては、最終的に生き残れるのは残存需要を手に入れることができたごく一握りの企業だけです。
イノベーションは技術革新だけではないと言いました。イノベーションの向く先は製造技術や製品の深化といった製品開発ばかりではありません。どのように売るか、つまり商品の販売戦略を見直すことも企業にとってのイノベーションです。もともと想定していた需要予測、想定される顧客の使途に固執せず柔軟に考えるべきです。
このとき、法制度としての知的財産権法はどのように関与できるのでしょうか。製造技術関連は特許、企業信用保護関連は商標、商品の包装陳列関連は意匠、広告関連は著作権、ということになるでしょうか。POS(Point Of Sales)といった販売面での保護は特許も活用可能です。適材適所で活用を考えるべきです。
記事では各種のイノベーションを起こすためには人の「強いつながり」よりも「弱いつながり」を重視すべきとしています。あまりにも強いつながりは、過去の成功事業への遠慮や企業内派閥により適時の企業方針転換の妨げになろうことは想像に難くありません。
継続企業としての経営理念やビジョンは固持しつつ、それ以外は柔軟に対処した方が良いということです。ただ、ある一定以上の規模の日本企業ではそれがとても難しいことも確かなことです。