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技術安保

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 「技術安保」とは聞きなれない言葉です。意味的には技術に関する安全保障ということなのでしょうが、具体的な態様はよくわからないというのが正直なところかと思われます。
 以前の投稿でも技術流出関連の投稿(「技術流出規制強化」)をしておりますが、今回のこの言葉は行政の施策というよりは政治的な意味合いが濃いようです。

 以前、軍事転用可能技術については外為法や条約によって法的規制の枠が掛けられていることは記載しました。
 ここにきて半導体メモリ技術が海外企業に買収されると国際的、政治的な勢力図を変えてしまうかもしれないという危惧がまことしやかにささやかれています。そうなったときには現在の法律では十分に対処しきれないのではないかという意見もあって、今後政治の舞台で検討が始まるようです。
 要は技術分野における法律による国益保護を強化しようという動きです。

 ”技術を国外に出さない”という施策は国民にとって長期的にみて良いこともあります。一方、企業としたら歓迎できない規制以外のなにものでもありません。自由に物や情報を輸出入できないばかりか企業売買も規制されるわけですので。

 どのような監視体制や法律ができたとしても、ある技術、資料、製品が規制対象かどうかの判断は”誰か”がすることになるでしょう。

 輸出する事象が発生した場合には、まずは各企業の中で申告や判断が必要なものかどうかを決めるところから始まります。
輸出規制品リストや手続きは政府によってあらかじめ規定されていて、その規制リストに該当するかどうかの判断を各企業がそれぞれ行います。

 そもそも企業内の輸出管理部門に諮るべき事案なのかどうかを、開発部門の技術者・研究者がその都度判断するしかありません。諮るべきとなった場合でも、輸出管理部門の担当者が技術レベルや深い内容理解が必ずしもできるわけではありませんので、輸出判定もほとんどの部分は現場の技術者が決めているというのが実情かと思います。

 唐突ですが、輸出管理と特許アイデア発掘の際の事情とかなり似通っていると常々感じています。

  • 発明 = 他で公知となっていない高度な技術的思想
    •  ⇒ 誰でも思い付くアイデアなので特許にならない
  • 規制対象 = リスト化されている技術・物が対象
       ⇒ 直接リストアップされていないし技術開発の場面では普通のやり取りなので問題なし

 技術者の考え方によっては、良い「発明」なのに出願せずに埋もれてしまったり、申請が必要な「規制対象」技術なのに不正輸出してしまうということにつながってきます。前者は一企業の不利益ですが、後者は国際的にも大変な事態です。
 思うのは、どうしても技術行政は最前線の技術者・研究者にしわ寄せがきてしまうようにできているということです。

 もちろん企業も技術者や社員への教育は意識的にやられていますし、一定のチェックシステムも敷いているとは思います。
 ですが技術者・研究者は本業以外にもさまざまなことをしなければならず本当に大変です。輸出管理部門といったスタッフ部門も技術に近づく努力が必要ですし、今回の記事のような国会議員の方々にも前線の実情を分かってもらったうえで法整備をしていただきたいと願わずにはいられません。

 また技術者・研究者の方々には日々の業務で出てきたことはたとえ些細なことだと思っても、(どんなにか面倒なことだとは思いますが)しかるべきスタッフに上げることは、後々のことまで考えても必要なことです。
 それは会社にとってのリスクヘッジになるばかりではなく、技術者・研究者自身のリスク回避にもなるはずですので。

技術安保で超党派議連:日本経済新聞

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