民法が120年振りに改正されることになりました。施行日はまだ決まっていないようですが2020年をめどに改正手続きを進めるようです。
民法は私人間の慣習を正文法に起こしたもので、中身を見ると本当に細かいことも書かれています。それに条文数も膨大です。その構成は大きく財産法と家族法に分けられ、前者はさらに物権編と債権編、それと共通部分を集めた総則編とから成ります。
今回の改正民法の内容は主に債権編の各事項について変更がされます。いくつか例が出ていますので、それぞれについてコメントしてみたいと思います。
一つ目は債権の”消滅時効”についてです。物権だけでなく債権にも時効はあります。民法第百六十七条で、債権の時効は10年とされています。しかしながらこれは原則であって、何の制約もなければ10年で時効を迎えます。実際には場合場合でもっと短い時効期間が規定されていますので、実生活では実感がないとは思います。とにかく債権にはバラバラな時効期間が存在することになっています。
さすがに紛らわしいということもあってこれを”原則「権利を行使できると知ってから5年」”に統一することを考えているようです。もちろんいつまでも5年の行使可能状態に置くのは法的安定性の問題もあるので何らかの除斥期間は設けるのではないかと思います。行政法では良くある措置です。
二つ目は”法定金利”です。民法と商法で異なりますが、民法第四百四条で別段の意思表示がなければ年5分と決まっています。もちろんこれも契約時点で合意しておけば変更可能な利率なのですが、法で定める部分を見直すということになります。
三つめは”連帯保証人”です。世間では頼まれても保証人にはなるなとか、ドラマでも連帯保証人になったばかりに苦労を背負うようなストーリは数多く見かけます。気軽に引き受けたばかりに人生を狂わせる事件が後を絶たないということもあるのでしょうが、保証人に不利な内容の契約での引き受けや、契約書への犯罪まがいの捺印誘導に対する抑止力を期待しています。
改正後はこういった契約をするには公証人を立てる必要が出てくるようで、十分承知の上で保証人になる私人間の契約であっても手続きがかなり面倒になります。
最後は民法に規定のなかった部分で、現代への適合を図るものです。あまり明確でなかった敷金返金の問題や、インターネット時代に照らして消費者に不利な条件の無効化を法定するとのことです。強行規定ということになるのでしょうか。
確かに、身近な法律「民法」の改正はインパクトがありますが、民と民の契約はあくまで「私的自治の原則」が優先します。何事も契約時には内容を確認し、少しでも不安があれば修正を依頼するとともに将来的なリスクを見定める目も大切になってきます。
商習慣的なこともありますので、相談できる確かな第三者をはさむことも考えたいところです。