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標準化

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 自動車のような大型製品ともなると部品点数が多くなりがちです。また昨今の電子制御化も目を見張るものがあるので、機械部品だけでなく電子部品の点数もバカになりません。
 一社で製造販売する車種は複数に及びさらに部品点数が増えてしまいがちですが、車種が違っても各社使用する部品の標準化を進めてコストダウンを図っています。
 産業界では標準化という考え方自体は決して珍しいことではなく、コストダウンの施策として盛んに用いられています。

 今回の記事は、この部品標準化の考え方を複数の自動車メーカーと各部品ベンダー間にも適用することを国として推し進めようとするものです。

 国が考えているのは国力のアップ、技術力の維持・伸長です。添付の記事の一文を借りると、

ということで、全体構想としてはベンチャーや大学の業界参入を後押しして技術の底上げ、従来の自動車産業構造の変革を起こしたいようです。

 一方、既存の産業構造についても触れられており、

下支えする部品ベンダーにも得があることをうたいます。同一部品を複数の自動車メーカーに納入するようなベンダーにとっては幾ばくかの利益があるようには感じます。
 これが本当ならば、納入部品の性能基準や設計基準、検収条件などがメーカーごとにまちまちだ、ということになります。

 ある部品に期待する性能が、その部品を発注するメーカーによってさまざまなことが予想されますので、それ自体は当たり前かもしれません。しかしながら、記事を見ると評価基準が異なると書かれています。ここでいう評価基準とはたとえば、

とあるように、具体的には使用する単位、計算方法をそろえることを目論んでいるようです。ひと時社会問題化した燃費測定についても測定系の標準化がされるべきでしょう。顧客や環境といった外向きに影響のある測定系はそろえていただく方がベターです。

 ただ、二つ目の引用部分を見るとメーカーごとにテスト方法までも異なっているようです。各メーカーがこだわるのは特定の製品に組み込まれた状態で遭遇するさまざまな使用状況におけるその部品に求められる機能特性だと考えます。最終製品に及ぼす性能という意味で内向きに影響のある測定系と呼ぶことにします。

 各メーカーはある部品を発注する際、単に部品の強度や大きさを定めているだけではなく、自社の自動車の乗り心地やスペース効率の改善、果ては安全性も考慮したメーカー哲学に通じる考え方にまつわる評価方法を個別に求めているような気がします。
 つまりあるメーカーが一つの自動車を組み上げるにあたって、各部品に課せられた性能はメーカーが決めた車種ごとに異なるのではないか、これが画一的でない内向きの測定系として要求される基準なのではないかと思います。

 実はこれは日本企業が得意とする「擦り合わせ型」(インテグラル型)開発そのものです。メーカーは車種によって異なる基準を許容し、全体最適で製品を組み上げます。これが部品ベンダーに発注する形態が統一されていないという理由の一つだと思います。もっとも企業秘密の壁に阻まれて、お互いにどのような仕様で発注しているのか分かっていないだけかも知れませんが。

 この対極にあるのは「組み合わせ型」(モジュラー型)開発です。部品はネジやナットのように標準品で供給され、製品ごとに必要な標準品を組み合わせていく開発方法になります。ちょっと考えると分かりますが、これは上流の供給業者は楽になるものの、最終製品に卓越した性能を与えるためには下流の工程の技術者はより多くの努力を強いられます。
 組み合わせ型は主にコスト削減に効果が期待できる一方、軽薄短小かつ低コストを突き詰め過ぎると月並みの製品しか生み出せなくなる危険があります。そうなれば規模の経済性に秀でる海外企業に埋没してしまうかも知れません。

 海外企業はモジュール型開発が進んでいます。政府はそのあとを追うように日本の産業を変えていこうとしているように見えますが、産業の過度のモジュール型化は却って日本の強さを削ってしまうようにも感じます。
 単位系の標準化、規格の標準化はむしろすべきだと思いますが、すべてにおいて標準化を押し進めるとメーカーとしての個性もまた削られてしまうのではないかと危惧してしまいます。

経産省、次世代車の性能評価へ指針:日本経済新聞
自動車の設計と性能評価とは:日本経済新聞

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  1. […] 事です。自社で製造する自動車の部品の共通化を進めるという内容です。  以前の投稿(「標準化」)で取り上げた記事でもこのメーカーの名前は出ていましたので、全メーカー、全部品ベ […]

  2. […] 並びではあるものの高性能でばらつきのない製品が簡単に製造できてしまいます。以前、「標準化」で示したのと同じことです。  従来は高度な電子技術が必要で製品化が困難だった擦り […]

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