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ポイントビジネス

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 プリペイドカードやクレジットカードで何か消費財を購入するとポイントが貯まるというサービスが多く存在します。今や公共料金でさえポイントが貯まる事業者があって、「知らず知らずのうちにポイントが!」というのを売り文句にしたところも散見されます。

 ポイントサービスを提供する仕組みはいくつかあって、これを導入する目的も少しずつ異なるようです。しかし根底にあるのは顧客の囲い込みである点では共通しています。
 次回もこの店で買おう、次回もこのカードで支払おう、というモチベーションを与えることができるとされています。

 添付しました記事は、少し前から危機が叫ばれ始めた流通業界、特に宅配便業者における再配達の削減についてのものです。

 時間指定の配達で、不在でなくきちんと受け取ってもらったらポイントを付与する、という趣旨です。従来の考え方であれば、配達時に不在だったらペナルティとして割増金が発生する、という感じになるでしょう。顧客としては罰金のように感じられてしまいいい気分はしないものです。

 再配達はそもそもコンスタントに発生するコストと認識して、サービスポイント(会計上は負債)として別の形で計上します。もしも配達時の直接受取率が高ぶれすれば益として取り込めます。
 これは積極的に顧客が荷物を受け取ろうとするモチベーションにもなりますし、顧客の囲い込みにも寄与します。顧客誘導に止まらない、画期的なサービスだと思います。

 企業側としては実質的に固定費だったものを活用して収益の改善と顧客へのアピールもできるという一石二鳥の施策となります。再配達コストは収益を悪化させる”費用”だけれども再配達を受ける顧客にとってはサービスの一環であり、時刻通り受け取ったときに顧客がもらえるポイントは単純に”利益”です。ここにはWIN-WINの関係が成立しています。
 企業会計通りの発想で配達商品を盾に取った割増金請求としていたらこうはならないはずです。

 ここで言いたいことはポイントサービスを活用したビジネスモデルにも顧客の視線が必要ということです。売り上げが立つ以前に”損”を承知で”実”を取るということになります。

 実際にポイントを付与するビジネスモデルの特許出願も見られます。
 ビジネスモデルとは言っても、お得意さんに対しては次回来店したときに割引するとか、顧客が喜ぶ流行品を提供するというような人的な取り決めでは権利にすることはできません。
 特許などの知的財産権は「自然法則を利用した技術的思想の創作」である必要があることから、多くはレジスターやサーバー、スマートフォンを使った一連のシステム特許、あるいはプログラム特許として出願されています。

 ポイントサービスはあらゆる仕組みが連携して初めて成立する大きなシステムなので、全体システムをインテグレーションできる企業でない限りは、製品レベルあるいはプログラムレベルの発明として取得することを考えなければなりません。

 発明の有効性は誰も分かるけれども、自身が使う権利範囲がうまく取れない、他の企業の参入を阻止する効果的なクレームが作れない、あるいは複数企業の持ち寄りで構成されるようなシステムの場合には発明全体を直接商品化する企業は存在しないということも考えられます。

 要は権利化はできるのだけれども使える権利に成り難い発明という傾向がどうしてもあります。これはビジネスモデル特許全般に言えることで、昨今ではあまり見られなくなった理由の一つです。

再配達 通販側も削減策:日本経済新聞

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