無線LANのただ乗りに対し無罪判決が下されました。タイトルの”ただ乗り”とは無線LANのAP(Access Point)の不正利用のことです。
金銭を支払わず、あるいは権利者に断りもなく物や役務を受けると犯罪に当たることがあります。たとえば無銭飲食、無賃乗車、窃盗、置き引き、盗電、などなど。
電気を盗むというのだけは”電気”という無形なものですが、これも窃盗の罪であることが確定しています。労働力も含めれば、要するに違法に他人の所有権を犯す行為と言えます。
”無線LANのただ乗り”とはどういうことでしょうか。ここでは暗号化などのセキュリティが掛けられているAPがあって、そのアクセスパスワードを暴いたうえでネットワーク接続をする行為を指しています。
さて、この場合はどのような罪状が当てはまるのでしょうか。
記事では電波法の観点での司法判断について書かれています。ちなみに電波法の条文は以下のようになります。
電波法(昭和二十五年五月二日法律第百三十一号)
ご承知のように電波というものは目には見えませんが有限な資源です。電磁波として放射して情報を伝達する媒体として利用できる周波数は限られています。誰でも好き勝手に電波を出していたらまともに利用することなどできません。
電波法 第五十九条に次のような条文があります。
秘密の保護というタイトルがついている条文です。端的にいうと無線通信を傍受して得た情報を漏らしたり使ったりしてはいけないということです。
セキュリティの掛かっているAPの無断使用が電波法上の罪に当たるかが争われました。
結論は最初に記載した通りです。無罪が言い渡されました。理由は以下のようなものです。
”鍵を複製して他人の家の鍵を開けたことは秘密の窃用にはならない”という理解でしょうか。条文に規定されている”秘密”とは何かを突き詰めたうえで、条文通りに解釈するとその通りだとは思います。
何か腑に落ちないものはありますが。
ですが容疑者の行為がすべて犯罪ではないことが示されたわけではありません。記事を見ると「不正アクセス禁止法」正確には、不正アクセス行為の禁止等に関する法律 (平成十一年八月十三日法律第百二十八号)で有罪となっています。
ちなみに、不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第二条(定義)及び第三条(不正アクセス行為の禁止)というのがあり、
少なくともこれらに抵触すると言えるのではないでしょうか。
今回の行為は犯罪であることには変わりありませんが、電波法による罪は問えないという前例となったという記事です。