製品を製造しようとすると一般的な形式のデータを採用した方が、消費者の利便性を考えると有利に働きます。一般消費者にとっては購入したは良いが使い道がないのでは本末転倒です。携帯電話を買っても通話できるエリアが、そのメーカーが提供するごく狭い範囲だけだったら困ってしまいます。
広く利用できるためには一社では到底無理なので誰でも採用できるように標準的な規格を提唱して参加グループを増やす必要があります。(「工業規格」)
特に、音声や映像を扱う標準規格には古くから標準規格というものがあり、各社しのぎを削って特許権を取得してきました。世界的に流通している製品の多くの規格はパテントプール(「知財管理会社」)という手法でライセンスされています。
今回取り上げた記事のコーデックはこの分野に強みを持つ企業が必須特許を保有しており、半導体オーディオプレーヤーを販売する各社はこの企業からパテントライセンスを受けなければなりませんでした。この圧縮ファイルを再生可能な全世界のプレーヤーがライセンス料を支払わなければなりませんから、そのライセンス料収入額は膨大です。
しかしながら特許には権利満了があります。この度、このコーデックの必須特許の権利期間が切れたとのこと。これで誰でも自由に無料で利用できるようになります。
携帯電話の3G通信方法も一社が必須特許をほぼ独占して抑えています。全世界が一つの規格で統一されれば利用者としては歓迎すべき状況ではあるもののその裏では激しいパテント戦争が渦巻いています。製品パンフレットには単に対応コーデックの記載しかされていませんが実に大変な世界なのです。