備忘録のつもりで、昨今巷を賑わせている新しいSNSについて記します。テレビを筆頭に、単なる1クラウドサービスについて、なぜにこんなにも話題になるのでしょうか。
SNS自体は説明をする必要もないほど実社会に浸透したサービスとなっていますが、今回は音声SNSというところが新しいとされています。しかしながら、音声によるSNSというのは話によるとこれが最初ではないようです。サービスはあったが流行らずに廃ってしまったのだそうです。
解説されていた注目点はもう一つ、招待されなければ使用できないという仕組みにあるといいます。マイナーなクラウドサービスではそういったサービスもあったとは思いますが、現状の大手SNSでは匿名性を排除したサービスもあるものの、原則として誰でも登録して利用することが可能です。この辺りはサービス提供会社のポリシーにもよるために何とも言えない部分ではあります。
今日、再び音声SNSが注目されるのは”操作が面倒になったから”というのが大きいようです。つまりスマートフォンで文字を打ったり読むためにスクロールするのさえ”面倒”になったということです。音伝えであれば操作も不要であり、目線を移さなくとも聞き流すことさえできます。ある番組では別の事をしながらでも耳から情報取得する習慣を”耳活”と称していました。
もう一つは、本人の肉声が聞けるというメリットも考えられるそうです。普段からSNSで著名人の文章を読むことが多いわけですが、それはあくまで文字を追うだけになります。普段は本人と話をする機会も無いし、あっても極限られており、そういった著名人の肉声が聞けるとなれば共感性も高まります。動画サイトが人気なのもうなずけます。
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今回話題になっている音声SNSは個人の自由な発言を担保するために録音禁止を謳っています。利用者には録音を禁止しても、サービス業者側は様々な理由で録音をしているようです。サービスの仕組みを考えた場合、録音しないというのは無理な話で、仕組み上はどこかで録音して保存する必要性は考えるのに難くはありません。
録音が注目される一因は、声紋が生体認証にも使われる本人特定情報、要するに個人情報そのものだからと言えます。これを悪用しようとすれば、いくらでも本人に成りすますことが出来るかもしれません。個人情報は法律でもいくつか列記されていますが、それらはあくまで情報システム上の話であって、実際には本人の脳内にしかないパスワードであったり、身体的特徴である指紋、虹彩、顔、静脈そして声紋を組み合わせて最終的な安全を担保しているという現実があると思います。その一つが自由に使われてしまうとすれば、遅かれ早かれ社会問題となるでしょう。。
中国は早々にこのサービスの利用を禁止したそうです。情報発信の容易性と影響度の大きさを憂慮してのことだと思われます。個人情報に配慮してのことかどうかは分かりませんが、中国当局としては様々な理由で脅威なのでしょう。
さらなる問題は、流行の理由の一つとも言われている”招待”の裏返しで生じる端末内の連絡先情報の流出です。もちろんこのような連絡先の情報は自分以外の他人の個人情報です。これもサービス業者側で保存しているそうです。日々の生活の上では、個人情報の流出の危険性を実感することはあまりないかもしれません。せいぜい、知らない会社からDMが届いたり売り込み電話が掛かってきたりという程度ではないでしょうか。
従来の個人情報規制の目的は個人の保護のためでした。ネット上でのいわれなき誹謗中傷を防止し、あるいは個人を標的とした犯罪が起きないようにするものです。しかしながらそれ以上の危機、つまりは音声情報が流出することとは言い換えればこの先の社会における鍵や印鑑が盗まれるのと同等の危険性があることを認識する必要があるでしょう。