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「IoTで製造業はソフト会社に」:日本経済新聞

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ポーター教授「IoTで製造業はソフト会社に」:日本経済新聞

 日経新聞の今日の記事です。IoT(Internet of Things)が話題になってから久しいですが、まだまだIoTの行き先が定まっていない気がします。定まっていないというよりは応用範囲があまりにも広いため画一化しにくいとうことかもしれません。画一化しにくいということは万民に通用する共通概念がつかみにくいということと同義です。

 IoTの説明は他に譲りますが大枠では「あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、モニタリングやコントロールを可能にする概念」と言えると思います。実際のところ、パソコンはいうに及ばずそれなりに以前から家電でも工作機械でもネットワークに接続可能な環境が整っています。モノがインターネットに接続されること自体は新しいことではないといえます。

 何が新しいかといえば、一つにはそれぞれの機器を支配下におけること、もう一つはその規模です。
 インターネットにパソコンをつないでWebを見たりメールを交換することは通信路としての利用です。あくまでシステムの主体はパソコンでありネットワークは環境を提供するという役割でしかありません。つまりパソコンはそれ自体が独立した存在(スタンドアロン)であり基本的には統制されていないことになります。IoTでいうところのデバイスを前述のパソコンに例えると、パソコンはインターネット(上に存在する制御主体)の指示に従って動作し、また末端で起こっているミクロな問題は能動的に対処すると共に指示に従った結果を返信します。これは現在社会問題化しているマルウェアなどの高度なウイルスの動作に似ています。会社組織における経営幹部と従業員の関係と言ってもいいかもしれません。要するにインターネットを介した、それぞれの目的を持った従順な部下との関係です。
 インターネットは汎用であるとともに広範囲に設置されています。今までケーブルで接続されていたセンサ(上述のパソコンに相当)が、自前で用意しなければならないケーブルという物理的な制約から解き放たれたことで、その汎用性を基礎として安価に大量に設けることができる可能性が出てきたのです。つまり距離的な制約と規模の壁が取り払われるという結果を生みました。

 実はここまでの議論は技術的には既成概念の打破と応用で到達できる範囲だと思います。ハードウェア環境はすでに整っています。
 そのようなシステム構成が可能となったとき、どのようなサービスを誰に提供できるのかが定まっていません。もちろん一部の分野では有効なサービスも実現されていると思いますが、IoTをうたう大手企業も試行錯誤の渦中にあります。キラーサービスを創造すること、そこに発明の芽があるはずです。

 もしかするとそれら混沌を収束させるIoTを象徴するような発明は実は極めてシンプルな姿をしているのかも知れません。
 ことIoTについていえば、その大部分は需要と用途、つまりサービスの発明ではないかと思っています。構成の概念自体に発明と呼べるような新しいことはあまり無いのですから。
 冒頭に挙げた記事で”製造業はソフト会社に”というのはこれをよく表しています。安価に、そしてインターネットを使うことで汎用化されセンサもコントローラも規格化されて行きます。そのとき提供するサービスの外郭を構成するのはソフトウェアになるからです。画一化された環境を特定のシステムとして特徴づけるのはソフトウェアです。試行錯誤の渦中にあるIoT時代のサービスもソフトウェアで実現されることになるでしょう。
 IoT時代の発明は、サービスをプログラムおよびシステムカテゴリで表現したクレームになるはずです。

 他方、IoTが広まることで情報面では隔離されていたはずのプライバシーの侵害が、さらなる社会的問題を生むのではないかと懸念され始めています。さじ加減とはいうものの大規模に情報を集約することで見えてくる、それ以外の課題もあるでしょう。それは技術的な発想で克服するのか、それとも社会的に規制するべきなのか。技術的な解決策があるのならばそれも極めて重要な発明になるはずです。

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