東京都の「ICT先進都市・東京のあり方懇談会」で冒頭都知事が語ったあいさつとのことです。
ICT(Information Communication Technology)とは幅広い概念で、情報システム技術全般を指します。つまり情報システムを活用して行政サービスの向上、経済活性化につなげるという趣旨です。
何度か登場していますがフィンテック(FinTech)を推し進める趣旨とある意味同じです。ICTはあくまで手段であり、フィンテックが1手法ということになるでしょうか。今後の懇談会の中で、より具体的な手法の検討を進めるようです。
しかしながら一口にICTを使ってとはいっても、これは実に難しい問題です。従来の人的に行っていたものを情報システム化する類の改善策は作業時間短縮による効率アップという観点で行われてきました。実のところ効果が見込めそうな作業の電子化はほぼやりつくされていて、情報システムに馴染みやすい作業はこれ以上なさそうだというのが現実だと思います。なんとなく経済の頭打ち感が漂い始めています。
そこで、どうせ各所の作業が電子化されているのだから、上流と下流、企業と顧客、金融機関と預金者を電子的につなげてしまえば、さらなる効率化、つまり今よりも社会全体として見たときの全体最適が図れるのではと考えられました。
ICT化を模索するこの部分は、従来の商取引、つまり対面で人が行っていた取引の排除に他なりません。最終的には、情報システムが自動で最適な取引を行うことを実現しようとするものです。
これらがもたらす社会とはどういったものでしょうか。顔の見えない取引による人と人との関係性の減少、損益関係が逐次見えるようになることによる利潤追求の激化、およびネットショップでの購買障壁低下による過度な消費誘導・・・。
”競争力を高める”とは言うものの、果たしてそれは誰に対する競争力なのか。経済面ばかりがクローズアップされ過ぎてしまっていて、そこには人がいるはずなのに見えていないといった危うさを感じます。ICTによる経済活性化とは、利便性向上に直結した金儲けだけではなく顧客を守る仕組みにつなげられるかを第一に考えなければならないと思います。そうすることで社会がより良い方向に発展することにつながると考えます。
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