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AIと特許出願

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 面白い記事が掲載されていました。AI(Artificial Intelligence:人工知能)関連特許出願の実績が詳細されています。
 ここには日本だけではなく、米国、中国、欧州、韓国の各国特許庁のデータが集計されています。全世界には多くの国が存在しますが、特許出願に関していえばこの数えるほどの特許庁の出願でほぼ全世界をカバーしています。もちろん圧倒的に多いのは米国ですが、経済成長の激しさを反映して中国出願も急上昇しています。

 さてAI関連特許とはいえ、カウントする際に何をもって関連特許と判断しているのかご存知でしょうか。明細書を読んでみなければ何についてクレームしているのか分からないはずですし、実際には読んでみても容易に判断できない場合も多いのです。

 特許出願には特許分類という、発明の内容を技術や分野ごとに細かく規定したものが付与されています。さすがに毎回すべての明細書を全文検索するわけにもいきませんので、この分類は他者が出願した発明を検索をするときの助けとなるように定められました。どんな単位で分類するかは、法律が各国ごとに制定されているのと同様に本来は各国の自由です。

 分類がきちんとされていると、調査するときにはそれだけでもとても助かるのですが、一方、他国の出願を調査しようとすると非常に困ることになります。国が違うと一律に同じような評価ができないのです。このため国際特許分類(International Patent Classification:IPC)というものが用いられています。WIPOと略称で呼ばれている世界知的所有権機関が管理しています。これをベースとして独自の特許分類を定めていることが多く、実は日本も例外ではありません。

 話を戻します。この調査はどの特許分類の件数を集計しているか明記はありませんが、少なくとも特許分類ベースで推察した出願件数を集計していると考えられます。そして、その出願にどの特許分類が振られるかは出願人の自己申告になっています。時には特許庁が強制的に振り直すこともありますが、この数字が本来振られるべき分類先になっていないとしたら、この調査結果も概算でしかないのかもしれません。新規で判断が微妙な技術分野であればなおさらでしょう。

 傾向を見ていきますと、米国特許商標庁(USPTO)への出願件数がダントツです。これはどの分野でもいつも変わりません。次にかなり空いて欧州特許庁(EPO)、中国国家知識産権局(CIPO)、日本国特許庁(JPO)が続きます。注意しなければならないのは各国の出願件数が自国民の出願件数を示しているのではないということです。米国出願の多くは他国民や他国企業の出願です。以前、特許は属地性のある権利と言いましたが、特許は権利行使する国で権利化しなければならないためこのようなアンバランスが生じています。
 言い換えると、特定の技術にかかる特許出願件数の多い国には、その技術にかかる製品の市場が存在するということになります。すでに大きな市場が形成されていることもあるでしょうし、あるいは将来拓ける可能性が高いと判断されているのです。

 米国は世界最大の市場ですので出願も多いのは致し方無いところですが、中国も所得水準が高まり消費行動が活発になってきたことを受けて将来性の高い市場と認識されるようになったからこそ中国への出願件数が上向いているのです。
 一方、出願件数が増えないということは残念ながら市場としては縮小していると考えられます。日本がここに位置付けられます。とはいえ、この調査からは見えませんがこれをもって日本企業は技術力が停滞しているということにはなりません。各企業は市場である他国の特許庁に特許出願という投資をシフトしているだけなのです。

AI特許 4年で7割増 米中突出 日本は減:日本経済新聞

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