以前掲載したキュレーションサイトの問題(「まとめサイトの課題」)の渦中にあった企業の第三者委員会報告書が公開されたという記事です。
報告書の内容自体は穏便な内容に終始している感じで、目新しいことは述べられていない印象です。
この問題は三者の間の問題でもあります。まずはキュレーションサイト運営会社、その次は投稿した記事を書いた記者、そして最後に検索サイトです。
キュレーションサイト運営会社の、事業を優先するばかりに掲載コンテンツに対する意識の低さは、サイト運営という業務遂行者として非難されることは確かです。第三者委員会もサイト運営の欠陥について報告する形となっています。
不思議なのは、怪しい記事を書いた記者や、なるべくしてなったともいえる土壌を築いた検索サイトについては悪く言う人や記事を見ることが皆無に等しいということです。
記者の責任は記事にもあるように「プラットフォーム」なのか「メディア」なのかによって変わります。前者であれば記者に責任があり、後者であればサイト運営会社に責任が生じます。今回のキュレーションサイト運営会社の場合、世論はプラットフォームに名を借りた悪質な「メディア」であると見ています。よって「メディア」である以上、サイト運営会社に非があるという風潮になっているように思います。
そもそも「フラットフォーム」なのか「メディア」なのかをはっきりさせず、時々に応じて都合の良いように振る舞ってきたツケが回ってきた格好です。
もっともこれらの記事を書いた記者の側も、紹介サイトを通じたサイト運営会社側からの依頼を差し控えるという形で影響を受けているようです。
「メディア」かどうかに関わらず、「プラットフォーム」を標ぼうする他のサイトも掲載された記事によって現実には影響を受けています。(「ネットの信用問題」)
記事中の別の大手サイトもクレームを受ければ即座に対応するといった運用姿勢を打ち出しています。
”プラットフォームだから”といってみたところでサイト運営の責任は逃れられるわけもなく、掲載される記事には責任を持たなければならないと考えるのが普通です。それが大手の名を冠するサイトであればあるほど信ぴょう性が生じるわけで、誤った記事が掲載されたときには一般利用者はサイトに責任があると考えるはずです。
キュレーションサイトが「メディア」にせよ「プラットフォーム」にせよ、一般受けの良い記事を増やすことを第一目的とするのは検索サイトの”格付け”があるからです。もちろんインターネットの検索サイトは広告業者のためにあるわけではありませんが、検索行為そのものが一般化し、特定の検索ワードに対して表示する検索の順位が広告の機能を持ち始めたのです。
検索に対する表示順がサイト運営者に予測できるようにと公開した検索サイト側にも非があるのではないかと思います。
これはSEO(Search Engine Optimization)技術のもとになっていて、これにより恩恵を受けた企業も多いはずです。もちろん検索サイトにとってはこれ自体は悪いことでもなんでもなく、自身の検索サイトに人を呼ぶためのモチベーションにもなります。
今回のような自らの記事ではなく他者の記事を集めてきて表示順位を上げようとするキュレーションサイトにとっては、コピーされた記事が掲載されているのか評価を行い見つかった場合には表示順位を落とすといった改善は、過熱する競争に水を差すことになり不正コピーの防止効果は高いと思われます。
それでも完全には機能しない場合もあって、検索サイト側はさらに評価方法を改善するといいます。いずれまた新SEOというものが確立されるでしょうから、結局はいたちごっこになるのではないでしょうか。不正を加速させるようなことが無ければよいと願うばかりです。
検索サイトもインターネット上に自由意思でアップロードされた他人のWebページやファイルを、自社サイトにアクセス可能に表示しているという点では「プラットフォーム」です。誰がどのようなサイトを立ち上げ、どのような記事を投稿していたとしても、検索サイト側は法的には一切責任を問われることはないでしょう。
そういった検索サイトもさまざまな意味で社会的責任を求められるようになっていますし、果たすべきだと思います。たとえ「プラットフォーム」サイトであっても、サイト運営会社は無責任ではいられません。
[…] 回は執筆した記者に文責を留保したままキュレーションする「プラットフォーム」サイトであっても、運営会社として責任が生じるのではないかという投稿をしました。(「サイト運営」) […]
[…] ト社会を反映して社会的にも影響力を得るようになったサイト運営会社が、今までとは異なる新たなリスクに直面していることは以前の投稿(「サイト運営」)などでも言及してきました。 […]