話題

無形資産という投資

投稿日:

 投資といえば、株式や設備といった将来的に利潤を生むであろう有形のモノに対して行うものです。金銭の支出が伴いますので、無形資産といった形のないモノに対しては疑心暗鬼になってしまうのは至極自然なことです。

 記事でいう「無形資産」とはビッグデータや知的財産とされています。現代社会で投資の対象となっているモノと比較すると社会的な信用度が低く、本当に将来性が見込めるものか確証が持てないというのも分かります。

 そこで経済産業省は次のような優遇制度を設けるなどして投資促進を図ることとした、という記事です。

 どうしてそうまでしてビッグデータや知的財産のような”無形資産”への投資を増やしたいのかというと、

 ことへの危機感がそうさせているのだと分かります。

 確かに、モノからコトへというスローガンが叫ばれ、またドイツでもインダストリー4.0が提唱されるように、世界的にビッグデータひいてはIoTへの注目度は高まっています。もはややみくもにモノを作っても儲からないというのが共通認識にあるからです。
 この波に乗り遅れれば世界の中で国としての地位が保てなくなるのでは、という懸念があるからです。

 確かに、生産すれば利益が出ていた今までの価値観は通用しなくなっており、何とかしなければならないということは共通認識ではあります。しかしながらその問題解決のために「無形資産」に全面的に依存しようとするのはあまりにもリスキーです。収益が上がると確実に言える保証がないからです。

 特に大企業であればあるほど事業継続の必要性から転換は難しいでしょう。むしろ身軽なベンチャー企業が対象となるのでしょうが、アイデアはあっても如何せん”体力”が弱いのが問題です。
 当たればすぐに莫大な資金が手に入りますが、継続して事業して行けるか疑問があります。顧客データに依存する商売は不安定です。コトに依存する商売であればなおさらです。

 そこで体力のある大手企業がベンチャーに対して援助する構造、たとえばM&Aを促進し産業界として全方向の体制を整える必要があるのだろうと思います。

 ビッグデータもキラーアプリが定まらず、知的財産も地固めに時間がかかる、あるいはそもそもそれに価値があるのかどうか判断できないなど、変革が必要なのは分かってはいるけれど投資対象とするのはあまりにも無謀、というのが経営者の本音ではないでしょうか。

 ”機関投資家による理解も欠かせない”ともあるように、イノベーションを起こすためには当たり前のことではありますが長期的な視点での我慢や、はたまた大手の傘の下に入ることも大切かと思います。

無形資産への投資促進 経産省、支援制度を拡充

-話題
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

関連記事

no image

音声SNSと個人情報

備忘録のつもりで、昨今巷を賑わせている新しいSNSについて記します。テレビを筆頭に、単なる1クラウドサービスについて、なぜにこんなにも話題になるのでしょうか。 SNS自体は説明をする必要もないほど実社 …

no image

情報流出規制強化

 国家の存亡に影響のある情報について、外国への持ち出しには規制がかけられています。条約を除き、日本国の法律では具体的には外為法によって規制されます。主に国の安全保障を目的としています。  外国への情報 …

no image

「眠れる特許51% 防衛目的の取得増える」

日経新聞の記事ですが、直接活用のステージにない特許件数が増加の模様。 特許維持の目的を大別すると「利用」「防衛目的」「休眠」になる。2014年の日本国特許庁の登録特許件数のうち(どのように集計したもの …

no image

意識を持つAI

 AI(人工知能)がらみの話題は昨今頻繁に登場しているようです。その記事を見るにつけ、眉唾ではない有益な技術の進歩を感じます。  この記事はAIの進歩を語るものですが、今回取り上げたのはそれに目を留め …

no image

知的財産権の弊害

知的財産権とは、文字通り無形の知的な創作を財産権として認めようとするものです。人が元来持っているとされる、物の形として存在するものに所有権を認めた、有体物に対する所有権。その考え方を無体物にまで及ぼそ …