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特許品質の偏差値

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 「技術」についての評価というものは難しい。なぜなら形のある物ではないために、何をもって評価軸とするかがケースバイケースだからと言えるでしょう。それが特許ということになれば、さらに難しいわけです。

 工業的な価値ということでは、人は金銭に換算するのが理解しやすいでしょう。どれくらいかけて実現した、権利化したという見方では投資金額を積み上げればわかるわけですが、それでは本当の「価値」とは言えないでしょう。その財産的な価値を算定しなければなりません。

 財産的な価値は、財産が生み出す金銭、たとえば売却したり貸し出したりライセンスしたりした結果、もっというと他社に与えた心理的な経営的な圧力による優位性までも換算しなければならないでしょう。そんな価値判断は、正直手前味噌以外には算定し得ないでしょう。本音で言うとですが。

 中国勢の知的財産権の出願数がダントツに増えているという話題は以前にも述べた通りですし、現実にもその通りです。それと同時に語られるのは、そうして大量生産される知的財産の「品質」です。ですが、それを語るには評価軸があまりにも多岐に渡り過ぎています。

 そもそも、特許というのは「技術的な創作のうち高度なもの」とされていますが、現実の特許を見ると必ずしもそうでもないことがわかります。高度かどうかは出願人の判断と時代の技術水準に大きく影響を受けています。言い換えるとすると、容易性と後知恵の戦いです。前者は(当業者の技術レベルをもって)簡単に創作できるかということであり、後者は知ってからなら誰でも容易に理解できるものだが最初に発想するところに大きな技術的な飛躍が必要という理屈です。

 特許の現場では日々この戦いが繰り広げられていると言っても過言ではないでしょう。

 では実際に中国勢が爆発的に出願している特許とはどのようなものなのでしょう。記事の中では、

(1)特許の独自性
(2)技術的な応用実績
(3)汎用性       など

(記事より抜粋)

という評価軸で見た場合ではありますが、その「偏差値は」総じて低いという結果になったそうです。まあまあ予想通りの結果ではありますが。

 天地創造的な発明は欧米を中心に生み出されるのは今後も同じでしょう。ですがいつまでもそうだとは誰も断言できません。いつかは逆転するのではないかと思わずにはいられません。

ファーウェイ技術覇権 途上:日本経済新聞

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