著作権の在り方について、活字情報に関して文化庁の動きが報じられています。
先般の楽曲の演奏・上演に関連するものとは対象が異なりますが、こちらも著作権の課題です。
記事の内容は、著作物の検索に関するもので、全文検索を可能とするための法改正の可能性について記載されています。
書籍等の全文を電子化してデータベースに保存し、キーワードにもとづき検索できるようにするとのことです。検索結果がどのように表示されるのかについては詳しく説明されていませんが、ヒットしたキーワードの前後数行を表示することが検討されているようです。”数行”というのは文脈からそれが求める文献の箇所かどうかを判断するのに必要と考えたからだと思います。
このとき対象が書籍等の著作物の場合に、著作権の中でも複製権や公衆送信権、同一性保持権などが関係してくるかと思います。複製権は全文電子化の許諾が必要ですし、公衆送信権はインターネット経由という意味で必須です。
さらに同一性保持権なのですが、これは著作者の意に反して変更、
この投稿で注目したいのは文化審議会小委員会作業チームの会合で異論がなかったという「ITを活用して多くの人が書籍の内容を検索できるようにすることは、
著作権は著作者に認められた強力な権利です。それを、大衆にとって有益だから著作者の権利を制限しようと言っています。
そして、公共の利益を図ることが
これが正しいとすると、「著作者等の権利を制限する」=「文化の発展に寄与」になってしまいます。どうも著作権法の目的と相反することになりそうです。
ちなみに、著作権法には特許法にあるような「公共の利益」という文言はありませんが、他方「公正な利用」という文言があります。これは「公正な利用」をする者には”私”の存在である他人と同様に”公共”というものも含まれていて、利用するにあたっては”公共(社会全体)にとって公正と判断される利用に限り”、と読むのが自然でしょう。
一見すると著作権者の権利の制限が文化の発展に貢献するように見えてしまいますが、公共の利益が最も尊重されるという意味において矛盾していません。
独占権を認める特許法、実用新案法でもそうですが、法目的はどうであれ個々人の権利を制限するところに実は社会にとっての利益があるのです。あくまで考え方の一つではありますが、結局はこの利益(著作者にとっては不利益)が「文化の発展」につながるということだと思います。