某大手ネットショップが販売しているというボイスアシスタント、レビューを見る限り良い出来のようです。
日本での販売はまだないようですが、数年前から販売されている代物とのことです。
何をするものかと言えば、「ボイスアシスタント」という通りのもので、利用者が話しかけると音声認識によって指示した動作をしてくれるというもの。スマートフォンではおなじみの音声アシスタントソフトウェアのそれと同じような使い方です。
ですがこちらの場合にはスマートフォン操作に限られず、家中のIoT機器の操作ができるところがアドバンテージでしょうか。
音声で話しかけると家の中の家電製品のON/OFFが出来たり、音量を変えられたり、カーテンを閉めたりという発想は以前からあります。以前紹介しましたCEATECなどの見本市でも度々出展されています。
IoTが騒がれる以前からネットワーク越しに家電を制御しようとする規格もいくつか存在します。ですが思ったよりも家庭内に浸透していないというのが実情です。
昨今の家庭電化製品はコモディティ化が進み、どこの製品を買っても同じような機能で一通りのことができます。そして成熟製品であることから価格重視となってしまい、ネットワーク接続をする機能を搭載することによる価格アップを市場が許さなかったからだと考えられます。
とはいえ高付加価値の一部の製品、たとえばエアコンでは音声制御オプションなるコントローラが販売されていたり、一定価格以上のDTVであればインターネット接続ができるなどIoT化されてはいます。
家電の遠隔制御はHEMS(Home Energy Management System)の実現要請もあって盛んに研究開発がされていた時期がありますが、エネルギー危機の意識が薄れたあとはあまりパッとしない感じがします。
家庭内機器の音声制御にとって越えなければならない課題は大きく二つあります。
一つは、機器の制御を音声でする場合には音声認識の精度を向上させることです。誤動作ばかりしていたのでは何度も指示し直さねばならず面倒であるばかりでなく、誤認識したことに気付かなければ火災などの重大事故さえ招きかねません。
もう一つは家電機器の総IoT化です。一台、二台の機器が操作できてもさほど恩恵は感じられません。また、前述したように、そのためだけにより多機能で高価な製品を選ぶかという壁もあります。
このアシスタントがどのインターフェースを介して家中の機器を制御するのかは分かりませんが、音声認識精度は飛びぬけているようです。少なくとも一つ目の課題はかなりクリアされたのではないでしょうか。
あとは制御対象となる機器(スマート家電と呼ばれます)の普及ですが、こちらの方がより厄介かも知れません。
なぜならそういったスマート家電への買換意欲を後押しするだけのメリットを示せるかどうかもありますが、制御方法の統一が図れるかという問題です。知る限り有力な無線規格だけでも2~3種類、制御プロトコルもベンダ依存のものを含めるとバラバラです。もちろん、そのどれかが異なれば制御できません。
同製品ではSkillと呼ばれる制御対象毎にメーカが用意した、ある種の統一仕様のインターフェースが追加で必要なようです。
音声認識技術、AI技術、機器制御技術、環境管理技術、電力管理技術、etcの集大成がスマートホームということになります。そこまで突き詰めて初めて往年のSF映画のような住宅が実現できるのです。
これもIoTの目指す一つの形でしょうか。
つい先日、スマート家電が高価で普及に難ありと書いたのですが、どうやらお安くなってきているようです。
IoT家電、値ごろ感で身近に オーブンやコーヒーメーカー:日本経済新聞
もっと安くなってくれるとうれしいですね。
[…] に採用されるようになってきました。(「ボイスアシスタント」) […]