以前からキュレーションサイト(まとめサイト)関連の投稿(「まとめサイトの課題」)をしてきました。この問題も、まだまだ解決されたとは言い難いと思います。そもそもが他人の”記事”を扱うのが事業の中心なので、常に火種を抱えているといえます。
今まで具体的なメディアが特定されていましたので「サイト」と称してきましたが、サイトというとインターネットを媒介としたWebまたはホームページを強く連想されるかと思います。この投稿ではフリーペーパーや書籍その他諸々の伝達媒体を特定しないという意味で広く「メディア」ということにします。
マーケティングの世界では、何度も出てきたような「キュレーションメディア」と、もう一つ「バイラルメディア」という区分が存在します。この二つ名称としての違いは次のように示せるかと思います。
- キュレーションメディア ⇒ 注目記事をまとめて掲載することで訪問者数・閲覧数を稼ぐ
- バイラルメディア ⇒ 注目記事を掲載して口コミで記事を拡散させる
一見すると分かりにくいですが、前者は自身のメディアに掲載する記事の作成方法について表現したものであり、後者は記事はどのように作ろうとも付随情報(つまり広告)を拡散させるための媒体である点に着目して表現しています。
最終的な事業目的はどちらも同じで、記事に隣接して表示された広告が一般の目により多く触れることを狙った”広告収入の獲得”と言っていいでしょう。
前者(キュレーションメディア)は掲載する記事をテーマ別に編集することを目的としていて、後者(バイラルメディア)は”思わず拡散したくなる記事”でありさえすれば良く、それ以上の限定はありません。また、その方針の違いから前者は集客のために検索サイトの表示順位を利用しますが、後者はリンクなどが直接拡散していくことで目的を達成しようとしている点も相違しています。
このとき、掲載記事を創作するための源泉をインターネットに掲載されているコンテンツに求めてしまうと、実はまったく同じ問題をはらむことになります。その問題の一つは第三者の著作権侵害です。
某大手キュレーションメディア運営会社の問題が取りざたされる前、某バイラルメディア運営会社についても事件がありました。それが添付の一つ目と二つ目のリンクです。事件の状況や当事者の見解については二つ目のリンクで生々しく書かれていますので、興味がありましたらのぞいてみてください。
さらに一つ目のリンクにはサイト運営会社の具体的な事後対応についても書かれています。うがった見方をすれば十分でない大雑把な対応に見えるかもしれません。実のところ後手に回ってしまった業務改善は、社会に対する企業としての向き合い方をよりいっそう困難なものにします。
リンクの記事中で「直リン」にも触れています。これはオリジナルとは別のサイトに”直にリンクを貼る”ことを言っていて、自身のサイトのサーバ上に他人のコンテンツを複製することなく(表示のためにダウンロードするのは一般の閲覧者だから)、また改変もしていないという担保にもなります。ホームページを記述するHTMLの仕組みからそうなります。
一見すると「直リン」した別のサイト運営会社は著作権侵害を回避できたように見えますが、それはリンクが指し示すコンテンツだけの問題ならばという条件付きです。
ホームページは一つのコンテンツ、たとえば一枚の写真で構成されているわけではなく、テキストや画面の構成あるいは画面遷移などが組み合わさって閲覧者に届くものです。その写真だけで見たときと、本来のホームページに掲載されている状態で見たときとで、著作権者が込めた思想や感情の受け取られ方が変わってしまったとしたら大きな問題です。
著作権法は今でも頻繁に法改正がされているのを見ても分かるように、社会の変化に合わせるために新規の取扱いが規定されるなどただでさえ流動的です。裁判ともなれば、どこからが侵害行為となるのかを著作権者と侵害者のどちらがより合理的、かつ、外形的にも無理なく説明できるのかも考慮されることになります。
実際の事件では様々なファクターを考えなければならないとは思いますが、添付の三つ目のリンクが総論的な記載になっていますので併せてごらんください。
著作権侵害で訴訟沙汰になり反省したBuzzNewsがとった奇策
悪質バイラルメディアにはどう対処すべき? BUZZNEWSをフルボッコにしてみた
【法律コラム】翻訳もダメなの?バイラルメディアの“丸パクり問題”と著作権