つい先日のこと、千葉地裁で商標法違反による有罪判決が下されました。
商標法による罰則というと無断で会社名や商品名を使用したような場合を想像しますが、今回のケースは非常に興味深いものでした。
記事によると容疑者は大手スマートフォン会社が日本で販売するスマートフォン製品を”改造”して販売したのだそうです。いったん販売されてしまえば、購入者は自由に筐体を開けることも改造することも基本的には自由です。ただし、メーカー保証が得られなくなることを除いては。
場合によっては改造することにより他の法律に抵触することはあるでしょう。たとえば送信出力をアップしたり、出荷時よりも広範囲の周波数の電波を送信できるようにすれば電波法に違反することもあります。
改造行為により商標法違反が引き起こされたとする判断は以下のようなものでした。
つまり大手スマートフォン会社の商標を付した商品を改造し、その商標を付したまま販売したことが商標権者の信用を害する可能性があるという理由によります。そこには品質誤認という不利益を消費者が受ける可能性があるということでもあります。
ちなみに商標法の第一条にはこのような法目的が掲げられています。
このスマートフォンにされた前述の”改造”ですが、記事では”脱獄”スマホと記されています。
スマートフォンはPCと同じように、CPUやメモリといったハードウェアと、ソフトウェアとしてのプログラムでできています。拡張性の乏しいスマートフォンなどは高集積化の影響もありハードウェアの改造はほぼほぼ無理なのですが、ソフトウェアはいじれそうです。
ですが前述の大手スマートフォン会社の製品は一社提供ということもあり、製品に記憶されて販売された製品のプログラムをいじるのはそれなりに難しいこととされています。ベースのOSはオープンソースソフトウェアのはずなのでできないことは無いはずなのですが、メーカーとしてはそれができないようにして販売します。
詳しいことは書きませんが、改造を許さない構造とすることも社会に対するメーカーの責任の一種であると解されています。
”脱獄”とはいささか穏やかではありませんが、メーカーに改造を許さないように強固に”監禁”されたプログラムをいじることが、あたかも牢獄から抜け出すように感じられるということで、このような呼び方がされています。