先日のこと、近くの市立学校の校舎を借りて「子どもの理科離れをなくす会」の「宇宙探査ロボットを作ろう!」と銘打った体験教室があったので参加してきました。小学校三年生から六年生のかなりピンポイントの年齢層の募集でした。
ARMアーキテクチャのCPUを積んだ三輪ロボットのプログラミングをして実際に走らせるという、文字通りの探査ロボットのミッション体験をさせてもらえます。もちろん父兄は後ろから見ているだけで子供たち二人一組でそれだけのことを三時間(話が長かったので実際には二時間?)で行います。不安もいっぱいですが実に内容の濃い体験教室でした。
参加した回は40人の募集だったのですが応募人数が多かったために抽選となりました。聞けば応募人数はなんと200人、倍率5倍だと言っていました。気軽に申し込んでみたのですが、なんともラッキーなことだったのです。
教育の話題については以前にも何度か取り上げてきました。
アウトプットとしての教育(「産学連携」)、情報リテラシー向上をめざず教育(「教育とICT」)、そして技術者を育てる教育(「プログラミング教育」)です。
「子どもの理科離れをなくす会」の目指すものは三つ目の技術者・科学者の育成であることが分かります。”グローバルで通用する人材を育成する”、大真面目のガチの取り組みです。
以下は主催者が熱く語った内容の一部です。
- 子供だって大人だって、やったことが無ければやれないし、本物をいじったことがなければ実践もおぼつかない。本物の学習には本物のツールが必要であり、たとえばずっと軟球を使ってがむしゃらに練習しても、硬球を使う甲子園には行けないのと同じ、お絵描きツールで一等賞をとってもNASAに行くことはできない。
- スポーツや英語は特待生制度があるのに科学にはそれがない。才能があっても単なる変わり者で終わってしまう。また、子供にスポーツを推奨するのは精神の鍛練、人間形成の意味合いもあるはずで、科学でもそれができるはずだ。
- あいさつもできない人は信用されない。グローバルなルールに従えない人は付き合ってももらえないし、人の話が聞けない人、疑問があるときそれを訊けない人は信用されない。結局は一緒に仕事をしたくない人間だとレッテルを貼られてしまうだろう。
- 問題があるのに気が付いても黙っていたり誤魔化してばかりいたら、他人の命に関わるかも知れない。科学者は常に計算間違いしないしできない。いつでも重い責任を感じ命がけだということを肝に銘じてほしい。
- 今の社会は数字(を扱う業務)とは切っても切れない世界、ICTリテラシーの向上無くして生きられない時代。
プログラミング教育の必修化の話題を取り上げた際、プログラミング能力というものが実生活にどれだけ必須の能力なのか疑問だと言いました。また、プログラミング自体は漠としたもので、何を教えるのかを見極めるのもきわめて難しいのではないかと思われました。
しかしながら、同会の目指すものはそういった小手先の論理や考え方を主眼に置くのではなく、子供たちの考える力を刺激することを第一に考え、スポーツの世界と同様社会の規範と責任をも身に着けさせることを目的としているのです。
与えられた範囲のツールを使い困難な問題も自身で解決できる考える力を伸ばすこと、そういった不測の事態に対処できる能力を備えた人材の育成を目的とし、そして科学界・産業界に対してはコミュニケーション能力の物差しと、問題解決能力を見る別の指標を確立することができるのだと言います。
そういった意味では義務教育の必修科目とするのはいささか行き過ぎで、科学をツールにして伸びる子にはこういったやり方が良くて、体を動かすことが得意な子にはスポーツをツールにするといった、複数の選択肢をもった柔軟性を備える教育体系がふさわしいようにも思ってしまいます。
熱い情熱をもって行われている会という印象を持ちました。ご興味のある方は添付のURLから覗いてみてはいかがでしょうか。
体験教室終了後、次男はこういったことが好きそうなので、継続教室を受けさせようかと思っています。