産業界の閉塞感を打開するため、大学の知識を活用しようとする産学連携(「産学連携」)ですが、企業の思惑と大学の実情が今一つかみ合わないからか、思ったような成果が出ていないのではないでしょうか。
国も産学間のマッチングまではするものの突っ込んだ支援は十分とは言えず、進行はあくまで当事者に委ねられています。
また大学にはいまだ使われていない優秀な技術があるとして、そういった技術を民間での活用する仕組み(技術移転機関:TLO)も整備しました。これも大学側と企業側の価値評価の相違や、売り込みに必要な「マーケティングモデル」の構築がうまくいかず停滞している雰囲気です。
さらには、現政府は大学への助成金の削減を進めていることもあって、保有技術を”安売り”できない大学側はますます追い込まれていると言えます。
そこで文部科学省は大学側主導で産学連携を支援する組織を創設するというのが添付の記事です。
大学側でベンチャー企業に出資できるようにするなど自由度を高めることで産学連携政策を推進するとのことです。
この施策のため、新組織を選抜した大学内に設置するようです。
産学の連携を進めるのは良いことだと思います。産業界と大学が分離していては進歩も望めません。
しかしながら「オープンイノベーション機構(仮称)」のような新組織ばかりを作っても、本来の教育・研究業務ではないため大学側の負担を増すばかりになりはしないか心配です。
大学側も体力のあるところでないと国策にも関われないとなれば、産業界同様”格差”を生みそうです。