中国は世界の生産工場から世界有数の巨大市場として認知されています。人口が多いということもありますが、まだまだ発展途上にある農村部の需要も旺盛だからです。
たまに今回のような記事で中国訴訟の話を目にするのでご存知かもしれませんが、中国の裁判は、ひとたび訴えられると非常に厳しい対応を迫られます。
訴訟のテクニックについてはここで述べることはできませんが、とにかく進行が速いことと、現在はどうかわかりませんが知的財産訴訟に裁判所や原告までもが不慣れなことがあります。
日本や米国であれば問題ないだろうと考えられる事案であっても中国裁判では負けてしまうことが往々にしてあります。たとえば原告が知的財産権の考え方にそぐわない主張をしても、裁判所はその主張を認めてしまい非常に歯がゆい思いをすることもあります。その点では以前の投稿(「特許使用の特定」)で言及した米国の陪審制度よりも戦いにくいといえます。
全部が全部ではないと思いますが、中国訴訟の原告となる人たちは自己の権利を守るというよりは世界大手企業を狙った一攫千金目的の場合が多いと思われます。本当に勝算があって提訴しているのか疑わしいようなケースもままあります。
スマートフォン最大手の企業の、「i」のアルファベットから始まる商標に対して中国で投資的に行ったとみられる商標出願であるとか、今回のような意匠関係の訴訟などはその一部でしかありません。
しかしながら負けるわけはないと思っても手を抜くことは危険です。そして裁判所から訴状を受けたらできるだけ早急に現地の代理人を立てて応答する準備を始めなければなりません。輸入差止になって争う前から損害を被ることもあります。
原告相手が投機目的で訴訟を仕掛けてきたのであればカウンター特許の効果もありませんが、そもそも日本の企業はカウンターになるような中国特許権を持っているケースも多くないと思われます。結局のところ不本意だと思いながらも金銭を支払う羽目になります。
中国の裁判では思いもよらない判決となることも多く、企業にとっては中国進出の際の予見できない大きなリスクになります。
iPhone6の販売停止を無効に 中国の裁判所:日本経済新聞
Appleがパクリだと訴えられた中国訴訟が解決、やっとiPhone 6の販売再開へ