話題

テルネット

投稿日:

 IoT機器を狙ったサイバーテロの猛威が高まってきているようです。記事によれば、監視カメラや画像レコーダー、接続用ルーターの被害が多いようです。

 サイバー攻撃の手口も目的も、そして影響範囲も現実の犯罪と同様に決まった形はありません。狙われる機器も様々です。
 先日の世界規模のランサムウェアによる被害はPCが主なターゲットにされましたが、前出のようなIoT機器の場合にはウィルス検出を常時監視するようなリソースがなく、実のところ感染したことを検知することすら難しいことかもしれません。
 現時点では数の優位性を見込んでDDoS攻撃の僕とするケースが多いようですが、監視カメラなどの場合は画像も抜き取られている可能性も否定できません。

 IoT機器がウィルスの感染を許すにはいくつかの条件が必要だと思います。専門家ではないので主な視点のみを以下に列記します。

  • 外部から侵入が可能なネットワークに接続されている
  • オープンなOSをベースとしている
  • パスワードが脆弱
  • webやtelnetなど外部接続可能なポートを開放している
  • shell操作の適切な制限

 それぞれのポイントには”意味”があります。どれもUNIX系のコンピュータに覚えのある方であればピンと来るものばかりです。

 現代のPCはウィンドウベースのOSが主流を占めており、ツールとして使用する場合に留まらず大半のソフトウェアの開発もウィンドウベースで行われています。
 しかしながら前出のようなIoT機器はこれとは全く異なっており、いずれもオープンなUNIXをOSとして構成された機器と考えて間違いありません。UNIXは太古(?)の昔からコンピュータの基本OSとして稼働しており、まだまだ数の少なかったコンピュータを遠隔から操作するために様々な工夫が取り入れられています。これはオープンなUNIX OSであっても同様です。
 つまりIoT機器は生来外部からの接続を受け、操作されることを前提とした設計となっています。

 タイトルのtelnetはリモート端末機能を提供するもので、テキストベースではあるもののログインさえ出来てしまえば目の前の端末と同じように操作することが出来ます。便利なのでメンテナンス用にバックドアとして残しているケースもあるのでしょうが、考えてみれば非常に危険なことです。

 スパイ映画やウィルス感染の記事を見ていると、何やら高度で特殊な怪しい知識を持った専門家の世界の話のように感じられ、そういった人にかかればどんなコンピュータでもハッキングできるように思うかも知れません。実際にはどんな手を使っても、きちんと処置された機器には侵入されることはないのです。
 仮に招かざる客に侵入されたとするならば、それは何らかの”入り口”を見落としているか、信頼している他のコンピュータが乗っ取られたかのどちらかでしょう。

 こういった”入り口”をきちんと処置しておくことで多くの場合は防止できるはずなのですが、それが出来ていないことが昨今の被害の拡大につながっていると言われています。潜在ターゲットが大量にあるということで脅威と認識されているものの、実は多くの部分は見えにくいだけで至極単純な話なのです。

IoT サイバー防衛急務:日本経済新聞

-話題
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

関連記事

no image

勝訴率

 独占権を与えられた特許権などは親告罪という扱いのため、権利侵害を発見しても訴訟を起こさなければ強制的には食い止めることができません。  日本では原告側に侵害立証の義務があるうえ、たとえ訴えてもコスト …

no image

ブロックチェーン

 掲題の件、仮想通貨であるとか銀行であるとかの分野に絡めて紹介されていたために、金融関連の技術なのかと思っていました。  実際は複数のサーバで構成されるシステム上にセキュアに台帳システムを構築するため …

no image

意味的価値

 どうやら経済学に属する分野になるようですが、「SEDAモデル」というものが紹介されていました。経済理論だと言われればその通りかもしれませんが興味深い部分もありましたので取り上げさせていただきます。 …

no image

特許侵害しているのは誰か?

製鉄会社がその鋼板を購入していたメーカを特許侵害で提訴したというニュースが伝わっている。事の顛末は、同メーカが仕入先を変えたことに端を発する。 特許というと、基本的な権利である自由権に反して特定の権利 …

no image

参入障壁

 新規で事業を立ち上げようとするとき問題となるのは参入障壁です。いくつかの企業がすでに市場を形成している場合や、初期投資といった資金が必要なケースもその一つです。  これには悪い面と良い面と両方が考え …

2017年6月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  
  • 74今日の閲覧数:
  • 74今日の訪問者数: